胸のフィルムを焼き切って

欲張りオタクの徒然草

舞台「アシタを忘れないで」に寄せて 〜ここが好きだよ!有岡大貴〜

8月15日。
自担・Hey! Say! JUMP有岡大貴くんが企画段階から携わり、プロデューサー及び座長として作り上げた舞台、ナゾドキシアター「アシタを忘れないで」の最終公演が行われた日だ。
このブログは、舞台ネタバレをふんだんに盛り込んだ上で有岡くんの好きなところを並べていく、「ここが好きだよ!有岡大貴」ブログである。(ネーミング…)


4月9日朝、「さあ今日はJUMP配信ライブ初日だ〜🥰」とヘラヘラ(ヘラヘラ)していた私の目に飛び込んできたニュース。

驚いた。
だって2021年、有岡くんは「ドラマ単独初主演」「初めての単独冠番組」を既に発表していて、先述のHey! Say! JUMP配信ライブ「Fab! -Live speaks.-」の演出も担当しているという情報があったのだ。
いや自担仕事しすぎじゃない!?!?ヒルナンデスで「全てうまくいく」と占われた2021年だけどそれにしてもうまくいきすぎじゃない!?!?!?
(この後「ananをはじめとする多くの雑誌の単独初表紙」「初めて引っ張ってきたシングル」などで有岡担のライフはゼロになる)

舞台「初」単独主演。30代に突入する有岡くんの「初」を、オタクである私も一緒に喜べることを噛み締めた。From.の「君と同じ時代に生まれてきた僕らはツイてる」ってほんと言い得て妙ですよね

そして何より、「企画・プロデュース」を担当したという事実。2019年に出演した、関ジャニ∞村上信五くんの舞台「もしも塾」のときに「グローブ座で何かやってみませんか」とお声がかかったこと。「演劇×謎解き」という新しいエンターテインメントをひらめいたこと。ヒルナンデス繋がりで演出の橋本さんや謎解き監修の松丸くんとこの企画を生み出したこと。
思わず語彙力のないツイートをしてしまったよね↓

っていうかこのブログ、このツイートを200倍に引き伸ばしたものといって差し支えありませんね。こんな調子の文章が続いていきます。


すぐに始まったチケット申し込み。
私は入学したばかりの大学で出会った同担ちゃん(以下Aちゃんとします)と一緒に申し込んだ。「初日はテスト真っ最中だしダメ元で東京楽日申し込んじゃう???後は後半の平日を確実に狙って…」なんて話していたら本当に東京楽日が当たって震えた。時系列ズレるけど一般でも見切れ席チケットをゲットした。痩せようと思った。実際コロナと受験が重なってぷくぷくだったので、人間的な生活をしたら2ヶ月半で8キロ痩せました。

舞台の公式Twitterアカウントができたときも驚いた。「このアカウント謎解きに使うのかな〜」と思っていたらしばらくして公式アプリがダウンロード可能になる。手の込みように腰が抜けた。(このときの私は、観劇中にアプリの出来を知ってさらに腰が抜けることになることをまだ知らない)

個人的にはPARADE東京公演ぶりの有観客現場だったので、めちゃくちゃ舞い上がっていた。どれくらい舞い上がっていたかというと、この舞台についての記事が載った雑誌を7冊買った。社会人でもないのに。有岡担、この前も単独表紙ラッシュと自担が引っ張ってきたシングルで大変だったのにね!もっと買いたかったなとすら思っているんだから恐ろしいよね!
雑誌の内容には後で触れるとして。


いよいよ初日。緊急事態宣言で緊張した雰囲気の中、始まった自担初単独主演舞台「アシタを忘れないで」。初回公演に入った有岡担の皆さんが、有岡くんにより一層メロメロになってTLに現れた。
「ネタバレ禁止だから自担愛叫ぶしかないよな〜有岡くん凄いな〜〜」と思いながら、翌日ネットニュースにアップされた公開ゲネのレポも一切遮断し、ネタバレしそうなアカウントを片っ端からミュートし(その節はすみませんでした)、LINEでネタバレしてくる友達にキレかけ(本当にごめんね)、有岡くんを見られることを最大のモチベーションにして課題をとっちめた。

私は7月30日と8月8日、どちらも昼公演に入ることができた。

特にAちゃんと入った東京楽日公演は、スタンディングオベーションの一員になれたし、山田くんもいたらしいし(私たちは2階席だったので全く見えず)、興奮のあまり終演後2時間半以上Aちゃんと「ここが良かった"アシタを忘れないで"」を喋り倒した。もう本当〜〜〜〜〜に楽しかったし幸せだった。











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ここからストーリー説明と劇中の好きポイントをひたすら並べていきます。盛大にネタバレしますよ!!言ったからね!!!責任は負いませんよ!!!
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まずは舞台「アシタを忘れないで」のストーリーを簡単に説明していこう!パンフレットの「STORY」を少しだけ引用しています。観劇済の方はここをすっ飛ばしてもらえれば、私の記憶がガバなのがバレずに済みます()


曇竹アシタ(有岡大貴)は、大海原ヒロシ(福田転球)が経営する小さなレンタルムービーショップの店員。(「ムービー」という表現は、この脚本の中で明らかに意識的に使われています なんでやろ、未来だからかな)
昔から日記をつけてきたアシタは、あるとき1年前から遡って2年間日記をつけていなかったことに気付く。

毎日なんとなく心が晴れない日々を過ごしているアシタは、自分の部屋の天井に「元気のないお前へ」と書かれた謎のメッセージを見つける。アシタの筆跡によく似たそのメッセージには、アシタの元気がなくなったときに頼るアイテム(自己啓発本、ムービーのディスク、栄養ドリンク)を示唆する絵が添えられていた。メッセージの意味がさっぱり分からないアシタは、自分のSNSアカウントにこの謎をアップロードし、謎を解いてくれる人を募集する。
アシタがお風呂に入っている隙に、飼い猫のケケ(羽村仁成)と、どこからともなく現れた謎の男(大東立樹)が会話を始める。

(観客はここで2人にガイドされながら謎を解き、「アシタを忘れないで」公式アプリの中のSNSアプリのメッセージ機能を使い、アシタに答えを教える)

謎の答えは「公園のベンチ」を示すものだった。アシタは翌日、大海原を誤魔化し仕事を早退して公園のベンチに向かう。そこには新たな謎のカギとなるUSBメモリが隠されていた。
ちょうどそこに、レンタルムービーショップの常連客・千住タイラ(佐野岳)が通りかかる。アシタと千住はそのまま飲みに行く。
酔っ払って家に帰ってきたアシタは、前日に見事謎を解いてくれたフォロワーにメッセージを送り、謎を解いてもらうことにして眠りにつく。

(ここでまた、ケケと謎の男にガイドされながら、観客がアプリを使って謎を解き、アシタにメッセージを送る)

謎の答えが指し示すのは「洋画のコーナー」であった。翌日、アシタは自分の働くレンタルムービーショップの洋画コーナーを漁る。大海原に不審がられたアシタは、自分がおかれている状況を全て伝える。そして洋画コーナーには、「公園のベンチの下の下」を示すヒントがあった。
アシタが公園の同じベンチの下を掘ると、写真が入った箱が出てきた。その写真は、アシタと、仲睦まじげに写る人の2人のツーショットであった。全く見覚えのないその人と、まるで恋人のように写るその写真にアシタは戸惑う。
そこにまたしても千住が通りかかる。千住は、アシタが2人の写真を持っていることにアシタ本人以上に驚き、その写真を自分に預けてくれないかとアシタに提案する。

家に帰ったアシタは、SNSのプロモーションで流れてきた記憶消去サービス「メモリーホワイトニング」の宣伝を見て、自分がこのサービスを受けたのではないかと思うようになる。
彼はフォロワー(以降アシタはそのフォロワーのことを「神」と呼ぶようになる)(ここで呼び始めてたと記憶してるけど違ったらごめんなさい)に状況を簡単に説明するが、写真が入っていた箱にまた新たな謎のヒントが書かれていることに気づく。
そこに突然飲んだくれた大海原がやってくる。元妻が再婚し、自分の娘に新たな父ができることに感情が抑えられなくなった大海原は、アシタに慰めてもらおうとしてきたのだった。アシタはなんとか彼を落ち着かせようと部屋の外に出る。

(ここでまた、ケケと謎の男にガイドされながら、観客がアプリを使って謎を解き、アシタにメッセージを送る)(コピペ)

謎の答えは「天井」だった。アシタが「神」のメッセージに従い天井を注意深く確認すると、何かが隠されていることに気づく。それは、つけていないと思っていた空白の期間の、アシタ自身の日記であった。
日記には4桁の数字を入れて開くタイプの鍵が掛かっていた。記憶を消した恋人の誕生日を入れるのではないかとアシタは推理するが、肝心の恋人の誕生日が分からない。「メモリーホワイトニング」のホームページにもログインしようとするが、パスワードが分からない。アシタはお手上げ状態であった。

ねえ待って、大海原店長がやってくるくだりってもしかしてここだっけ アシタくんここでどうやってハケたのか全く思い出せない これがメモリーホワイトニング…?そんな部分的なホワイトニングある?はっきり覚えている方がもしこれを読んでいたらDMください…待ってます…まあそんなに本筋とは関係ないけれど………

(ここでまた、ケケと謎の男にガイドされながら、観客がアプリを使って謎を解き、「メモリーホワイトニング」のHPにログインしてカルテを見る。アシタの恋人としてカルテに名前が書かれていたのは、今観劇して客席に座るあなたであった。観客は自分の誕生日をメッセージで送ることになる)(「アシタを忘れないで」アプリにログインするときに名前と生年月日を入れるシステムになっていました)

アシタは「神」に教えられた4桁の数字を入れて、日記を開くことに成功した。そこには、アシタと恋人との日々、アシタの恋人は重い病気で死を待つことしかできなかったこと、記憶を消すことを決意し、もしアシタが思い出したくなったときのために2人で謎を用意し、元気をなくした未来のアシタが見つけてくれるようにヒントを残したこと、などが綴られていた。
「神」のアカウントは、4桁の数字を教えたメッセージを最後に、削除されていた。

アシタは「メモリーホワイトニング」の施設に向かう。そこには、白衣姿の千住が座っていた。千住は記憶消去した後のアシタを、彼の職場の常連客として見守っていたのだ。
千住はアシタから預かった恋人とのツーショットを返す。アシタは千住に、自分の記憶を戻してもらう。

記憶の戻ったアシタは、恋人を思い出して泣く日はありながらも、以前より活力に溢れていた。千住も、単なる常連客としてレンタルムービーショップに顔を出してくれるようになった。
謎の男は死神であった。しかしあくまでケケの友人として、ケケの飼い主であるアシタの行く末を見守っていたのだ。
アシタは恋人の記憶とともに、前を向いて生きることを決意したのであった。






ハイ!!ガバあらすじこんな感じ!!!記憶力が塵なのに逆によくここまで覚えてた!!!時系列あやふやなのマジで自害レベルなので上演台本売ってくれませんか!?!?!?()
………とまあそこは置いておいて、本当に素晴らしい舞台だった。
怖いのはこれが「produced by DAIKI ARIOKA」(OP映像より引用)だということですよ。「アシタくんと付き合ってたのって自分だったの!?」と気付くときに脳からヤバい成分がドパドパ溢れる気がしませんでした?私はしました。思い出したんですよ、""ないはずの""幸せだった2人の日々を。怖いよね、produced by DAIKI ARIOKAの名のもとに、岩崎う大さんがこんなトンデモ脚本書いてくださったんだから………こんな設定、グローブ座から出てきた人間全員「アシタくん及び有岡くんの元恋人」の顔して出てきてまうやろ………私はその顔して出てきました。ええ。

パンフレットの有岡くん・演出の橋本さん・謎監修の松丸くん・脚本のう大さん、4人のクロストークでう大さんが話していたように、「なぜそこに謎があるのか」の意味付けがしっかり行われていたからこそ、これは謎解きイベントではなく「謎解き×演劇」として成立したのだと思う。「記憶をなくしモヤモヤした日々を過ごす未来の自分に解いてもらうために謎を用意する」という設定は天才。記憶をなくしてもアシタくんが明るい毎日を送れていたら、これらの謎に気づかなかったかもしれないってことであって………嗚呼………
そしてこんな文をダラダラ打っている私は、う大さんのその努力、パンフレットでの表現をお借りすれば「物語と謎解きの"結合痕"」を見せないようにする努力に、パンフレットを読むまでほとんど気づきませんでした。パンフ読んで天仰いだ。劇団かもめんたるの舞台行かせてください。

このままだと岩崎う大さん絶賛ブログになってしまう。いやう大さん素晴らしいな………というのは事実私が感じたことであって、脚本を生み出す側に立ったことのある人間としても尊敬の念がやみません。
それはそうなんだけどこれは「ここが好きだよ!有岡大貴」ブログなんよ(???)軌道修正します…


1.ここが好きだよ!『SNSアプリをプロデュースした有岡大貴』

それにしても、アシタくんの呟きを見ることができ、メッセージを送り合うことができるこのSNSアプリ、本当に……………………罪だった…………………………有岡担、舞台中に隙あらばこのSNS見てたでしょ???知ってるよ???
もちろん「アシタくんとメッセージを交換できる🥰」という喜びもあるんだけれど、メッセージ機能には結局謎の答えしか送れない仕様になっているし、何せアシタくんの呟きがヤッッッッッッッッバい。本当にヤバい。これがproduced by DAIKI ARIOKAだと思うと気を狂わせずにはいられない。
「今日は7時に起きてランニング!えらいぞオレ!最強!」という自分褒めちぎり投稿や「チーズバーガーピクルス抜きでって頼んだのに入ってるじゃんもう〜〜〜」「スタンプカード、1個だけ押されたのめっちゃ出てくる…」といった共感しか覚えない日常投稿、「一瞬雪降ったのうまく写真とれんかった」とくだけた語尾、こんなん有岡くん絶対Twitterやってるし相当TL見てるじゃん………としか言えない。

「こんな話合う人、過去イチかもしれん」以降の呟きはさらに破壊力が高い。

「肉じゃがって他人が作るとこんなに美味しくできるのか……」←!?!?
洗顔料とハンドソープ間違えて顔洗ったから、めっちゃ顔カピカピ…(添付された写真に映り込む、"2本の"歯ブラシが入ったコップ)」←!?!?!?!?!?
「今日のご飯はハンバーグプレート!!うまそー!!(どう考えても1人分ではない量の食器が映り込む写真)」←!?!?!?!?

ヤバい。ヤバすぎる。有岡大貴さんが個人SNSしてなくて本当に良かった。もしありぺ以外にそんなものがあったら、匂わせがすぎて投稿の度に有岡担が毎回考察するし勝手に撃沈してしまう。匂わせの猛者たちが脳裏に浮かびすらするレベルの投稿である。アシタくんやメモリーホワイトニングの皆さんはどうして一連の投稿を削除しなかったんだろう、こんなん見る人が見たら「付き合ってた人いたんだ」って一発ですが………あえてなのかな…………実際記憶消す直前に謎のヒントを投稿に残したもんね、迂闊に投稿削除できなかったんだろうな………
アシタくんと「私」(私)が付き合い始めてからアシタくんと過ごすようになったであろうケケに対する惚気もえげつない。
「ケケってなんで存在するだけでかわいいんですか〜?天使ですか〜?」「ケケ〜おれが寝てる間に顔何回踏んだー?気づいてるぞー?(可愛いから許す)」「公園のおネコさまモフって帰ったら、ケケに嫌な顔された。浮気してごめんよ〜」「おふとんと    まくらと    ケケがいればしあわせ」
全部ヤバい。「(可愛いから許す)」という概念を知っている有岡大貴がヤバい。アシタくんの恋人でありながら()、ケケになりたい欲が抑えられない。

もちろん日常投稿も健在である。「今日あちー」「今日もあちー」「今日も今日とてあちー」の3日連続投稿、「メモ    歯磨き粉買う」「明日の俺へ    トイレットペーパー買ってきて」と備忘録的に投稿を利用する点、「俺も昔、映画作ろうとしたことあったから、映画を作ることの大変さとかは理解してるつもりだけど、それでもこれはちょっとなあ……」といった主語なしモヤモヤ吐き出し投稿、どこをとってもイッタラーのやり口そのものである。Twitterよりインスタを頻繁に使う勢はこんな文章作らない。インスタをろくにやらないツイ廃女子大生の私が言うんだから間違いない(???)

SNSアプリの話一生できるけど、この辺りがハイライトかな………(多いよ)
いい加減次の話題に移れよってね わかります



2.ここが好きだよ!『アドリブする有岡大貴』

有岡くんや福田転球さんによるアドリブが、この舞台における良い笑いのスパイスになっていたなとも感じた。レンタルムービーショップのラインナップはその代表である。「劇場版 照くん、カミってる!」はもちろん、「ペディキュア(プリキュアのイントネーション)」「仁義なき血祭り合戦(仁義なき戦い)」「男はマジでつらいよ(男はつらいよ)」「ミッションノットポッシブル(ミッションインポッシブル)」と、どの層にも刺さるパロディを仕込んでくれていた。8/8のアドリブには「君の水道を止めたい(君の膵臓をたべたい)」もあった。ペディキュアとこれがツートップで笑い起きていたあたり、やっぱり客層は10〜20代の女性だよねというきもち
福田さんは流石の踏んできた場数、アドリブがとんでもなかった。あのシーンの有岡くん、絶対素で笑ってたよな………(回想)
大海原店長が持ち込んでくるビールは「Bubble Gumビール」だし、ベンチに彫られた落書き(落彫り?)を読み上げるシーンには「ゆうと愛してる」「だいきぶっ飛ばす」「山田くん LEVO(アシタくん「LOVEって彫りたかったんだろうな」)」などとメンバーの名前を入れている。「ゆうと愛してる」のところは観劇に来たメンバーの名前を入れる回もあったようで………ハア……………オタクを掌の上で転がす術を身につけすぎなんよ自担…………………



3.ここが好きだよ!『人を動かすプロデューサー・有岡大貴』

パンフや雑誌を読んで、有岡くんが怖くなりませんでした?私はなりました(何回この構文使うの?)
舞台宣伝の雑誌で最初に「有岡くん怖…」となったのは、月刊TVガイド8月号の松丸くんのインタビューだった。

ヒルナンデス!」の休憩時間に有岡さんから「こんなことを考えているんだけど、やるってなったら、どう?」と聞かれて、「面白いと思います。もちろん協力しますよ」と答えたのですが、軽いノリだったので実際に決まったと聞いて驚きましたし、有岡さんのその行動力がすごいなと思いました。やりたいことを形にするって求心力も必要だし、物理的にすごく大変じゃないですか。でも、「この人だったら絶対に実現できるな」と信じさせてくれたというか。そこが今作に携わりたいと思った大きな理由ですね。

休憩時間の軽いトークを軽いトークで済ませない男、有岡大貴。この調子では、もし有岡くんと喋る機会があったら(ないけど)おちおち世間話もできない。何気なく打った相槌が「さっきああ言ってくれましたよね?」と言質になりかねない。
……真面目に読む。有岡くんは本当に周りをよく見ていて、周りが思っているよりずっと頭を回転させている。と思うし、松丸くんもそう感じたのだと読んだ。そんな有岡くんの行動力が、松丸くんに「『この人だったら絶対に実現できるな』と信じさせ」たのだと思うと、私はすごい人を自担にしてしまったな…と思う。
公開ゲネプロ後の取材でも、松丸くんから「本当に尊敬してます」「なんか、とんでもない人と仕事したなっていう感じがします」という言葉を引き出す有岡くん。
anan7月21日号の有岡くんと松丸くんのクロストークも、本当にけしからん。

松丸 有岡くんて、お願いの接頭語が「もしよかったらなんですけど…」なんですよね。そこから「謎解きの問題を出すのと演劇のストーリーがうまくミックスするといいんですけど」って、すごい難題をケロッと言うの、ズルいんですよ(笑)。ただ、絶対に上から言わないし、僕の領域に土足で踏み込んでこない。こっちを尊重しながらも一緒に作りたいんだっていう強い思いが伝わるから、断れないし頑張りたくなっちゃう。
有岡 (思い当たって)アハハ。
松丸 しかも、思いついたことを提案すると、丁寧にフィードバックをくれるんです。ここでこんなことできないかとか、もっとこんな体験をさせられないかとか、新たな課題もくれる。プロデューサーとして素晴らしいですよね。
有岡 嬉しい。結果、松丸くんに丸投げになってるところもあるんだけどね。でもかなり早い段階で上げてくれた謎解きの企画書が、これは絶対に面白くなるって確証を持てるくらい衝撃的で、そこで一気に自信が持てたんだよ。
松丸 一発目から有岡くんをびっくりさせたかったんだよね(笑)。すげーって言わせたいっていうクリエイターとしての自負もあるし、僕らがちゃんとバックアップするよって有岡くんに示したかったのもある。あれはこれまででも一番うまく書けた企画書かもしれない。
有岡 素晴らしかったです。感動したし、天才だと思った。
松丸 その言葉が一番嬉しい!

全部好きすぎて鬼長引用(ほぼ丸々1段)になってしまった。っていうかシンプルに松丸くんが有岡くんを褒めるの上手すぎて、もう私から付け足すことが何もない。「有岡くんをびっくりさせた」い、という気持ちに火をつけ、今をときめく松丸亮吾さんが自ら「これまででも一番うまく書けた企画書かもしれない」と言うほど素晴らしい企画を引き出した有岡くん、いや、怖………………………

(・д・)「もしよかったらなんですけど…」は、公開取材でも松丸くんが言及しているし、パンフレットでは橋本さんも同じことを言っている。公開取材のレポートは信頼と実績のwith様にお任せするとして()↓

私はパンフレットのCREATORS CROSS TALKについてアツく語ろうと思う。

橋本 大ちゃんは僕らのリモート会議を仕切るだけじゃなく、アプリとか衣裳とか映像の打ち合わせにも全部出てるんですよ。"企画・プロデュース"って一口に言っても関わり方は人それぞれで、大ちゃんは本当に全部やってる。だから僕らも、3〜4時間の会議にも文句一つ言わず参加してたんだと思います。
岩崎 それは本当にそうですね。有岡くんが頑張ってるから、ちゃんと読んでちゃんと理解した上で意見を言ってくれるから、「これくらいでいいや」みたいになることがなかった。有岡くんのおかげ…というか、有岡くんのせいでめっちゃ頑張ったっていうのはあると思います(笑)。
有岡 本当、細かいことまで注文させてもらっちゃって…。
岩崎 いやでも、言ってることがまっとうだから、逆に嬉しかったですよ。
松丸 僕もです。有岡くんがめちゃくちゃ真剣に理解しようとしてくれて、どうすればよくなるかを一緒に考えてくれるから、「有岡くんに面白いって言わせたい」って、作問チームみんな思ってました。
橋本 また頼み方がズルいんですよね。「"もしよかったら"ほかのアイデアも出してみてくれませんか?」って言われたら出さざるを得ない。天性の人たらしなんだと思います(笑)。
松丸 確かに、"もしよかったら"は有岡くんがよく使うフレーズですね(笑)。
橋本 そう言いながら、本当は"もしよかったら"とは思ってないんだけどね!大ちゃんも、意外と我が強いから(笑)。
有岡 確かに、"お願いします"の意味は込めてます(笑)。でも本当、リモート会議で繰り広げられる会話はものすごくハイレベルで、僕はオーバーヒートってこういうことを言うんだなっていうくらい、毎回頭の中がカッカしてました。皆さんのおかげで、僕が最初に構想していたときよりもどんどんどんどん企画のスケールが大きくなっていって。
橋本 今ごろ、GOを出したことを後悔してる人もいるんじゃない?
一同 ははははは!

松丸 う大さんも僕もクリエイターだから、お互いに譲れないこだわりってやっぱりあって。意見がぶつかったとき、ここは第三者にと思って有岡くんに「どう思います?」って振ったら、「結論は1週間先延ばしにしましょう」って言われたのが印象的で。1週間あったのに何も思いつきませんでしたとは、クリエイターは言えないってわかってるんだなって。
有岡 いやいやそんな! 僕はただ、会議が毎週定例だったから「次回までにお願いします」って思っただけで。実際、問題だったことが1週間後にはすんなり収まって、さすがだなと思ってました。
橋本 あのころは、定例会議が来るの、みんなちょっとイヤだったと思う(笑)。大ちゃんも、ちょっと気が重かったところもあるんじゃない?
有岡 正直、進まないときはしんどかったです(笑)。でも逆に、調子よく進むときもあったじゃないですか。そういうときはすごく嬉しくて、「見えてきた!」っていうのが僕のやりがい、快感になってました。
岩崎 ああ、それはありましたね。

高校の部活とはいえ、舞台監督を経験したことのある身から感想を述べると、「有岡くんほどプロデューサーの素質を持つ30歳はそういないだろう」と強く思う。自分語りになってしまうが、私が舞台監督の仕事をしたときは仕事の割り振り方や予定の組み方が下手くそで、結構な時間をロスしてしまった。(周りのスタッフ陣・チーフ陣が驚くほど優秀で、脚本演出キャストもそれぞれ天才だったことに救われたけれど)
だから改めて自担の凄さを感じる。有岡くんは、これまでの人脈を活かしてそれぞれのエキスパートに専門分野を依頼する。定例会議で嫌でも顔を合わせるタイミングを作る。自分で詳細なイメージを描き、各部署の提案に充実したフィードバックをする。頼みごとをするときに相手への敬意を忘れず、それでいてしっかり焚き付ける。
有岡くんが私の代わりに舞台監督やってくれたら全国大会にすら出場できたんじゃないかな!?!?!?(!?)
…なんてのは冗談だけれど。有岡くんの特性は、プロデューサーという肩書きの上でも存分に活かされることがわかってしまった。そんなんナゾドキシアター Vol.2を願うしかないやん………



4.ここが好きだよ!『やっぱりどこまでもアイドル・有岡大貴』

千穐楽を終えた後に、千住さんを演じた佐野岳さんがこんなツイートをしていた。

「僕たちをいつも支えてくれてる皆さんへの想いを集約した舞台」。この言葉を見たときに、ああ有岡くんはプロデューサーである前に、アイドルなのだなあと強く感じた。この舞台を主導する有岡くんにも、きっとこの想いがあったのだろうと思うからだ(パンフレットでも佐野さんが同じように言っていたが、それを見逃してはいないはず)。
脚本にどこまで有岡くんが強く関わっているのかを知ることはできないが、この設定を最初に生み出したのが有岡くんであろうとう大さんであろうと、「アシタくんと観客が付き合っていたことにする」設定は、有岡くんがアイドルでなかったらきっと生まれなかった設定だろう。SNSもアドリブも、「忘れないで」というタイトルも、有岡くん自身のファンが観客のほとんどを占めると有岡くんが知っているからこそのものだろう。(有岡くんがそこまで考えて一連のプロジェクトを作り上げたのだから、15000字を超えるブログを書き出した私のようなオタクも有岡くんの掌の上ということだ)

ジャニーズ事務所に入所した有岡くんは、全ての活動のおおもとになる肩書きが「アイドル」であり、その先に「俳優」「タレント」などといった肩書きがある。良くも悪くも、これは揺るがないことだと私は考えている。
有岡くんがアイドルであるからこそ生まれたこのナゾドキシアター『アシタを忘れないで』を、ずっと大切にしたい。この舞台に出会えてよかった!